耳を疑いたくなる話 (M) |
ある先生から伺った話です。
『先週、高3の娘の学校公開がありまして、英語(Reading)の授業を見る機会がありました。先生が英文を読み、先生が訳し、生徒の音読はありませんでした。
生徒の口から英語が聞けたのは、
「whichの先行詞は?」
「be accustomed toと同じ意味の熟語は?」
の問いに答えた、二人の子の英語だけでした。
小中学生と高校生では、授業の狙いが違うのかもしれませんが、ちょっとさびしい気がしましたし、英語に触れているとは言えないなぁと思いました。
クラスのほとんどの時間、子供たちが元気な英語をきかせてくれる普段の自分の教室が、とても幸せだとあらためて感じました。』
【その2】
これもある先生から伺った話です。
(前略) 中1女子クラスで、明日に控えた学力テストの勉強をしたいというので、「お勉強」となりました。
問題文の読み方(よくあるケースなのですが、疑問詞を使う疑問文を書かせる問題で、「下線部の部分が答えの中心となるように、疑問文を書きなさい」という日本語の指示の「意味がわからない」と、大騒ぎ。(まず「下線部」を「かせんぶ」と読むということを今回初めて知ったそうです。4名全員が。それまでは「したせんぶ」と読むものだと思ってたそうです。)
【その3】
小学校の英語活動をお手伝いしている先生からの情報です。
「B.B.カード」を使っているので、ごく自然に動詞の活用形も唱えています。ある日、中学の先生が私のクラスを見学なさいました。レッスンが終わって帰り際に一言『動詞の活用形を言わせるのは止めてください。あれは中学で教えるものですから。」
【その4】
電車の中で交わされていた会話だそうです。
「小学校であんなに楽しいレッスンばかりしてるのでは、中学になって私たちは、なにしたらいいの?」
「そうねぇ・・・。やることなくなってしまう?」
【その5】
孫が小学校4年の時の英語の公開授業でのことです。
窓側一列目の生徒 「Do you ]
二列目の生徒 「like]
三列目の生徒 「Father?]
これを数回繰り返した後で、やっと全員でフルセンテンスを言いました。
“Do you like Father?” これに対する答えはありません。
同様に次は、「Do you] 「have a」「sister?」です。
せめて「Do you」「have」「a sister?」であってほしいですよね。
【難波】
進学校だからなのか、進学校でさえなのか分かりませんが、おそらく日本の学校だからなのでしょうね。
これからの日本の英語教育は、あらゆる場面において受験対策的なものになってゆくのではないかと危惧してしまうのは私だけでしょうか。中学では高校入試の、高校では大学入試の、大学では入社で問われるTOEICなどの外部試験の。