信頼関係 |
「わからない」ことは「わからない」と先生に素直に言えて教えてもらえる関係なんてどうでしょう。すばらしいですね。でも、学校のようにクラスの人数がたくさんいて、先生に「わからない人は手をあげて~!」なんて言われて「は~い!」と手をあげられる子はそう多くはないでしょう。大人でも躊躇しますよね。まあ、これは日本の授業の悪い特徴でもあるようですよ。欧米では、わからないことがあるのに質問しないのはむしろ変。先生も、どんな質問に対しても”That’s a good question!“とねぎらいます。
話がちょっと脱線しました。では、こんなのはいかがでしょう?「わからない」「難しい」と感じることもなく、とにかくみんなで一緒にがんばるのが楽しいと思える関係なんて。理想論?
こういう言い方が、何だか新興宗教の講話みたいに聞こえると困るのですが、でも、やっぱり大事なものだと思うんです。だって、家族だって、友人だって、チームだって、「信頼関係」があるからこそ、辛いことを乗り越えたり、努力できたり、全力が出せたり、信じて待ったりすることができるんですよね。
BBでも同じだと思うんです。だって、訳のわからない英文を何十回も言わされたり、初めてやることなのに説明もなしに言い換えさせられたりするんですから。いえ、もちろん、ちゃんと意味取りもしているし、いちいち説明しないことにはちゃんと理由があるということは何度もお話ししていますよね。それでも、最初のうちは「もやもや」霧の中みたいに感じたり、新しい物が出て来た時は一瞬不安になるかもしれないですよね。
そこで大事なのが「信頼関係」だな~と、つくづく思うのです。最近、だんだん頭の中が整理されてきて、今は3つのことを大切に考えるようにしています。
1つは知的好奇心を高め合うこと。とにかくゲームが楽しかったり、ほめられて嬉しかったり、文を合体したら新しいイメージが生まれるのが驚きだったり、いつの間にか少しずつ読めるようになっているのが楽しみだったり、みんなで協力して何かが達成できるのが感動だったり、そんな経験を積み重ねていくこと。
2つ目は比べないこと。私や保護者の方が、お子さんと他人(クラスの中でも別の場所でも)と比べて「まだできない」という目を持たずに、「こんなこともできるようになった」という目で見続けること。
そして3つ目は、私自身の問題なのですが、「覚えてもらおう」「気づいてもらおう」という変な下心を出さないこと。下心って、子供たちにはバレバレなんですね。「覚える」「気づく」は生徒しだい!くらいの大きな気持ちで、私自身も真剣に楽しむこと。すると、不思議なことに子供たちの方から発し始めるんです。ホント。
マジカルにとっての「信頼関係」は、そうですね、ここが「居場所」「自ら学ぶ場所」になるために大切なもの…というところでしょうか。
「Magical通信」vol. 99 (2008年8-9月号)より
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前回の私の投稿(2014.3.10)の後に、「私は、心から遊んではいなかったのかもしれない」と気づいた、と書きました。実際には、勉強をしている雰囲気はなく、かなり本気で遊んでいました。
むしろ、途中入会の生徒の目には、遊んでばかりで何も教えてくれない「変な教室」に映ったことでしょう。元々いる生徒たちも、文法がわかって言い換えをしているわけではありませんでしたが、その子たちが臆せず声を出す様子を見て、後から入った子たちは、何をやっているのかわからないと不安になっていたことと思います。
私は、こともあろうに「そのうちわかるから大丈夫よ」「それより遊びましょう」と声をかけていました。
途中入会の生徒が抱えている不安を打ち消すつもりでかけた言葉が、逆に不安を煽っていたとも気づかずに。私がまずすべきことは、その子たちとの信頼関係を築くことだったのです。 【魚住】