いつか使えるための土台を育てる・・・それは語感 |
日本語は、英語から最も遠い言語の1つだと言われています。文法的にも、単語レベルでも、そして言語とは切り離せない文化の面から言っても、非常に性質の異なる言語なのです。ですから、英語を母語とする人が日本語を学ぶのにも、やはり他の言語より時間がかかるそうです。
「なぁ~んだ、だから難しかったんだ!」というのは、ちょっとまた別の話。
皆さんが「英語は難しい」と感じているのは、言語の性質が異なるからだけではないと思います。むしろそれは小さなこと。もしかすると「英語は難しい」と刷り込まれているのかも・・・。え、何?もしや国家の陰謀!?まぁ、そこまでではないにしても、それに近いものはあるかもしれませんね(笑)。
だって、私たちにとってただでさえ「難しい」言語なのに、「難しい」授業で解説し、「難しい」テストで困らせ、どうだまいったか?と言わんばかりにいじめられたら、誰だって英語が使えるようになんてならないと思います。で、学生生活が終わったとたん「あぁ、やっと英語から開放された~!」と思いきや、就職して今度こそ本当に英語を使わなければならなくなる時が来てパニック。慌てて勉強し直し・・・。
でもね、その時に、どんな力がついていたら、必要な時にその力を実践力として使えるところまで伸ばしていけると思いますか?イメージしてみてください。いざ!という時に、英語の土台となる語感がしっかり育っていることが必要だと思うのです。後はトレーニングしだいで大丈夫。慌てて勉強し直すにしても大違いな訳です。
BBカードと多読で育った皆さんなら、きっとわかってくれると思うのですが、英語を日本語に直してみて「そうか、そういう意味か」と納得することを「英語ができる」とは言いませんよね。小学生のうちに、英語を英語のまま読んで感じて笑ったりできるようになったでしょう?英語の文をいくつか組み合わせて意味のある文を作ることができるようになったでしょう?せっかくそういうことができるようになったのですから、その力をそのまま伸ばしていってほしいのです。それが語感になるのです。もっと読んで、もっと聴いて、声に出して、書いてみて・・・。楽しみながら、語感をぐんぐん育てていってください。
受験勉強で声を出さない日が続いても、意地悪な問題を解く日が続いても、その後できっと語感は戻ってきます。いつか皆さんが「使うための勉強」を始めるその時に、しっかり土台となってくれるはずです。
「Magical通信」vol. 137 (2013年4月号)より
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「英語の基礎力って何でしょう?」と問いかければ、「基本的な文法力」「語彙力」という答えが返ってきそうです。
それらがどうでもいいなんて思いませんし、いずれ文法を固めたり、語彙を増やしていくべき「時」も来ると思います。
でも、それは基礎力なんでしょうか?
はっきりした文法の理屈が説明できなくたっていい、語彙がそれほど多くなくたっていい、暗記した訳でもないのに、何となく英語の文ができちゃうような感覚が身に付けば、後はどうにでもなると思うのです。
小学生のうちに英語を学ぶ一番のメリットは、勉強やテストに邪魔されずに、たっぷりと時間をかけて反復できること、イメージと英語の間で遊べること、そして「語感」を育てられること。
それが基礎力になると、私は思います。【魚住】