共通の土台 |
勉強にしても、部活や他の活動にしても、そんな仲間の中には多かれ少なかれ共通するものがあるはずです。それがどんなものにせよ、共通しているものがあるというのはとても心強いものです。ただ、自然に集まった仲間ならまだしも、任意のグループなら、それが無い状態でスタートすることもあると思います。
「楽しくがんばる」 . . . と口で言うのは簡単ですが、どんなに好きなものでも、壁にぶち当たることもあるでしょう。「共通の目標」や「共通の夢」を持って集まった仲間と違って、もともと「自分のため」にと集まってきたグループでは、安易に一緒に上を目指すことは危険です。それは時に、お互いを比較したり、亀裂を生じさせることにもなるからです。そんなときに救ってくれるのは、仲間の中の信頼関係と、「共通の土台」なのではないかと感じています。お互いの足下に、しっかりとした同じ土台があり、不安になったらいつでもそこに帰って、もう一度飛び上がってみる。手をつないで飛ぶにしても一人で飛ぶにしても、応援したり助け合ったりするにしても、土台となる場所があるということで、気持ちがポジティブになると思うのです。
自分の周りのことで言えば、図書館の読み聞かせボランティアの仲間、英語の先生の仲間がそうですし、つい最近では、自分の子供達を含めた受験生の仲間達がそうでした。それぞれの目標や夢に向かって飛ぶための「共通の土台」。目に見えるもの、見えないもの、その仲間によって何を「共通の土台」にするかは違うと思いますが、それは、意識して作ってでも絶対あった方がいい、そんな気がしています。
うちの教室で言えば、それはもちろん、BBです。BBセンテンスを繰り返し言い、イメージすることで、「共通の土台」を作る作業から楽しみます。最初はぐらぐらの土台を、少しずつ頑丈なものにしていきます。あっちから眺め、こっちから直し、時間をかけて仲間とわいわいやりながら、いつしか、しっかりとした土台を作っていきます。できたと思って上に上がってみても、まだ穴ぼこがあったり、材料を間違えていたりするのを発見することもあるでしょう。それを直すのもまた、仲間が手伝ってくれるかもしれません。自分がまだ手直している時に、もう飛び上がる練習を始める仲間もいるでしょうけれど、その様子を見るのも刺激になったり勉強になったりします。その観察のためにも、BBセンテンスをみんなが言えるという「共通の土台」は必ず役立つはずです。
いつの日か、みんなが自由に好きなところを飛び回れるようになるまで、BBセンテンスは大事な大事な「共通の土台」です。将来、もうそこに降りてくることがなくなって、「そう言えばBBやったね~」と懐かしんでもらえる日が来ることを、心から楽しみにしています。
「Magical通信」vol. 114 (2010年4月号)より
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