読む力、書く力 |
BBメソッドでは、小学生に対しては、読むこと、書くことの習得も含めて、全てを遊びとして進めていきます。みんな違う、ということが大前提なので、読むこと書くことが得意な子はどんどん伸ばしていけばいいし、ゆっくりの方がいい子はその子のペースで、やり方を工夫しながらやっていけばいいと思います。「苦手」と一口に言ってもいろいろです。練習でできるようになる子もいれば、練習によって二度とできなくなる子もいます。とにかく嫌いにさせずに続けてもらうこと、その中で自分なりの努力のし方を見つけてもらうことが大事です。
ところで、BBメソッドの原則の1つに「全体から個へ」という考え方がありますが、それは字カードでも同じです。絵カードを使って文が言えていて、字カードも「判別」できている状態になっていれば、そのカードを見たときに勢いで文は言えるはずです。問題はその後です。文字に興味のある子は、どこをどう読めばその文になるんだろう?と勝手に興味を持ち、目で追った後でゆっくり裏返しています。でも、文字に自信のない子ほど、さっさと裏返してしまいます。その気持ちを考えてみることをせずに、「ちゃんと読まないから覚えない」と責めたり、他の子と比べたりしても、何か1つでも得になることはあるでしょうか?では、どうすれば・・・?
答えは「遊び」の中にあります。字カードで遊ぶ?と不思議に思われるかもしれませんが、フォニックスBINGO、One-word BINGO、One-word 抜きBINGO、バックワード(逆読み)BINGOにスペリングBINGO・・・全て遊びです。文字と触れ合い、「個」にフォーカスし、知っている音と照合し、やがて慣れていく。これらの遊びは、先生側から見ると、時には「できているかどうかチェックするため」という要素もないわけではありませんが、そのチェックするつもりのゲームの最中にも、昨日までできなかったことができるようになっていく、というおもしろい現象もおきます。そういう時は、自分が「この子はまだできない」という目で見ていたことを大いに反省すると同時に、大人はおおらかでいなくてはいけないと改めて思い知らされます。
たとえ時間がかかっても、それはその子に必要な時間。その子の土台を作り、学習者として自立していくために必要な時間です。それを短縮して土台をぐらぐらにしてしまっても、責めて辛い思いをさせても、嫌いになってあきらめてしまっては何もなりません。どちらがいいか・・・、もちろん決まっています。
「Magical通信」vol. 140 (2013年9月号)より
*・゜゚・*:.。.:*・゚・*:.。.:*・゜゚・*:.。.:*
英語の先生をしている人なら、読んだり書いたりするということが「当たり前」にできているでしょう。
でも、それが「当たり前」じゃないとしたら?
B.B.カードだからできることはたくさんあると思っています。
でもその前に、私たち自身の考え方を見つめ直す必要も感じています。【魚住】