3年後に英語の力になるもの |
「Magical通信」vol. 145 (2014年4月号)より
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英語を習う時、もしくはお子さんに習わせる時に、「3年後に英語の力になります」と言われたら、「え?3年もかかるんですか?」と思われるでしょうか。「そんなに待てません」と・・・。
B.B.カードを使い始めて間もない頃、ある保護者の方から、「小学校のクラスのお友達は、動物や色や形の名前をもっとたくさん知っているようです」と、懇願するように言われたことがありました。
当時、私も小学校の英語活動を参観に行ったことがあります。その日、先生は動物の絵が描いてあるカードをたくさん用意していて、子どもたちに1枚ずつ見せては、英語で何て言う?と聞いていきました。しかも、こともあろうに、「〇〇くん」「〇〇さん」とあてて答えさせていました。実を言うと、うちの娘もそのクラスにいて、先生が娘に見せたのは「オオカミ」の絵でした。娘がパッと答えられずにいると、先生は次々と別の子に聞いていきました。で、その後、それらの単語をどう使うのかと思って次の展開に期待しましたが、動物の名前はそれで終了でした。
そうか、こういうことか、と合点がいきました。答えられた子は(親御さんの目には?)ヒーローだったと思いますが、答えられなかった子はバツが悪そうだったり、興味ないという顔でやり過ごしたりしていました。いずれにしてもかわいそうでしたね。今思えば、その日以来、うちの娘が英語がキライになった…な〜んてことにならなくて、とりあえずはよかったと思っています(笑)
今でこそ、小学校の英語もさすがに単語レベルではないでしょう。でも、会話の形になったところで、当座のために暗記して会話ごっこをしているだけなら、子どもはすぐに忘れてしまいます。動物や色の名前は興味があれば覚えていられるかもしれませんが、文の中で使えない。会話文を暗記すれば、その場だけは「英会話」をしているようですが、持続する力ではありませんし、そこに気づきも学びもありません。どっちも同じです。
例えは悪いかもしれませんが、もしうちがBBをやらずに、年中、毎週、毎週、教室で「ミニミニ発表会」をしていても、暗記と忘却の繰り返しかもしれません。それは、その前の大事なものがすっぽり抜けてしまっているからです。え?誰ですか、「それも楽しそう!」って言ってるのは?まぁ、もし授業が週に2回あって、1回はB.B.カード、もう1回がそれなら、確かにそれも楽しそうですが、でも・・・。あれ?何の話でしたっけ?
そうそう、何が言いたいかと言うと、データとなる64の文の大量の反復(長期記憶になって浸透していくもの)と、たくさんの気づき(自分で学びとったもの)と、リーディングやセルム式Show-and-tell(BBの外に広がる世界)、これらを全部やっているからこそ、たとえ発表会が終わったとたんにセリフを忘れてしまっても、語感という土台を作る土になっていると思うのです。
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ずいぶん前のバックナンバーからの掲載が続いたので、たまには新しいものを…と思いまして、今回は今年の4月号のエッセイです。
1ヵ月半くらい前から準備を始め、その間は、B.B.カードは使わなくなりますが、終わると、何事もなかったかのように、当たり前のように通常のクラスに戻ります。