Be Happy |
「Magical通信」vol. 149 (2014年10月号)より
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流行りの歌の影響ではありませんが、今年の発表会のメドレーのテーマを”Be Happy”にしました。Happyという言葉の入った曲を5〜6曲組み合わせる予定です。今年も、日本中、世界中のあちこちで辛く悲しい出来事が起こり続けました。でも、残念ながら、それをすぐに解決する術を持ち合わせている人はいません。じゃあ何もできないかと言うと、そんなこともないと思います。ノーベル賞がいただけるような大きなことでなくても、一人一人がちょっとずつhappierになることで、世の中が変わるかもしれません。
うちは英語教室ですから、まずは子ども達がどうすればhappilyに英語が学べるかをずっと考えてきました。これからも考え続け、できることから実行に移していくと思いますが、何よりも「英語が辛くなって諦めてしまう子をつくらない」こと、それが私の使命だと思っています。今一番大切にしているのは、むやみに上を目指す目標を設定するのではなく、みんなに土台をつくるということ。しっかりとした土台ができれば、みんなそれぞれの力で上を目指して伸びていく。その時に最適のサポートができれば、いつかみんなに「自立した学習者」になってもらえる。本気でそう思っています。
ところで、「自立した学習者」とはどういうことをいうのでしょう。日本の子ども達は、学習者として過酷な状況に置かれています。学校や塾では宿題やテストに追われてイヤというほどunhappyな思いをしています。部活も忙しくて体力的にも精神的にもくたくたです。成績が下がれば塾の宿題も回りからのプレッシャーも増えます。悪循環です。そうすれば効率だけを優先させる子が出てくるでしょう。指示待ちでしか勉強できない子が出てくるでしょう。もしかしたら、勉強をあきらめてしまう子もでてくるでしょう。ですから、せめてマジカルでは、効率やあきらめとは無縁の状態で、強要された「勉強」ではなく、自ら「学習」することのできる子を育てたいと思うのです。
幸福度世界一といわれるデンマークでは、教育を非常に重視していますが、日本のそれとはずいぶん違うものです。デンマークの教育の目的は、自立(経済的、精神的)と社会が必要とする人材の育成だそうです。また、先日中高生のクラスで観てもらった植松努さんの動画の中で、植松さんは「教育とは、 失敗の避け方や、 責任の避け方や、 受験のハウツーを教えるものではありません。 教育とは、 死に至らない失敗を安全に経験させるものです。 」と言っていました。本当にそうあるべきだと思います。
小さな英語教室ですが、私にもできることはあると思っています。マジカルに来てくれているみんなに、「自立した学習者」になってもらうこと。それは、いつでも、どんな分野でも、自分に必要な勉強が始められる土台と自信があるということ。それが英語学習者として一番happyな状態だと思うのです。
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文中に登場する植松さんは、北海道の真ん中辺り、赤平(あかびら)市というところで、リサイクル用のマグネットの開発・製造・販売をする植松電機という小さな会社を経営している方です。社員20人のこの会社、なんと、ロケット開発もしています。
動画というのは、TEDの”ideas worth spreading” (広める価値のあるアイデア)の精神を受け継ぎ世界各地で発足しているTEDxの1つTEDxSapporoのカンファレンスで、登壇者の一人としてお話しされた時のものです。本当にすばらしい内容で、教室の中学生、高校生にも聴いてほしいと思い、後日YouTubeにアップされたプレゼンの動画を観てもらいました。
【魚住】