自 信 |
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B.B.カードが英語の「土台」を作るということは、何度もお話ししてきました。子どもたちに本当に必要な英語の力は、会話に便利な表現集でも、動物やくだものの名前でもなく、語感です。では、語感とは何でしょう?英語の音はこんな感じの音で、こんな感じのイントネーションとリズムで、文はこんな語順になっていて、質問する時はこんな形になって、否定する時はこんな形になって…という大枠から、時制や、人称や、その他すべての文法的な基本ルール、こういう時には”a”が入って、こういう時には”the”が入って、2つより多い時はsが付くみたい…という細々とした(でも、とても大事な)ルールまで、そういったこと全てを含んだ、英語の言葉としての感覚です。
これらは、中学、高校の英語の授業でいずれ「勉強」となり、常に「正解」を求められることになります。だからこそ、そういうものが、知識やテクニックとして入ってくる前に、語感として育ててあげたいと思っています。そのためには、言ってみて、ある時は「当たり!やった〜!」、またある時は「先生のと違う…」「じゃあ、こうかな?」「できた!」「そっか、そういうことか!」という経験を、リラックスして、つまりテストなどで試されることなく繰り返すことが大切です。そこには、時間と、量と、遊び心と、見守り待つ指導が必要なのです。
では、英語の「土台」は語感だけで作られるのでしょうか?
マジカル・ポケットという教室を始めて20年、その間、たくさんの子ども達が来てくれました。そして、B.B.カードを使い始めて10年、この間の大きな変化はいろいろありますが、1つおもしろい現象があります。子ども達の声が大きくなってきたのです。特にここ5、6年、はっきりと感じます。授業中、みんなで言う時はもちろん、一人で言う時もそうです。まだBB歴が浅くても、呪文か早口言葉のようにセンテンスを言い始める時も声は出ていますし、文らしくなるにつれ声が大きくなります。言い換えなどでよくわからない時でも、とりあえず「言ってみる」ことができますし、わかって言えるとボリュームがぐんと上がります。そして、もれなく笑顔が付いてきます。
実は、発表会でも同じ現象が起きています。以前は、前日リハーサルで、「もっと大きな声で!」と何度も檄を飛ばしていました。ここ数年はほとんど言わなくなりました。何が変わったのでしょう?先輩達のいいお手本や経験から学んだ部分もあるとは思いますが、でも、一番大きい原因は「自信」だと思うのです。
自信のないことを言うのは、大人でも躊躇しますよね。恥ずかしいと感じると、当然声が小さくなります。焦って何も言えないこともあります。そんな時に「もっと大きな声で」と言われても、大きな声なんて出るわけがありません。英語は、発音も大事ですが、大きなパンチのある声で、豊かなイントネーションで話すと、英語らしく聞こえ、通じやすくなります。でも、いくら「大きな声で」と指導しても大きな声は出ません。必要なのは、「できる」という自信を持たせてあげることです。そうすれば、自然と声が大きく元気になってきます。
よく「間違ってもいいから」と言いますが、学んでいる道の途中に「間違い」はないはずなんです。それを感じさせずに学んでもらうことで、自信をつけてもらう。大きな元気な声で、笑顔で英語に触れてもらう。自信という水をたっぷり吸って語感が育ってこそ、しっかりとした「土台」と言えるのだと思っています。
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大人は子どもに、いとも簡単に「もっと〜しなさい」と言いますが、言われてできたら苦労はしません。でも、自信が芽生えれば、自分から変わっていきます。
【魚住】