I like English. |
I like English.
I study it.
I speak it.
この後は、You like English, too. You study it. You speak it. と続いたような気がしますが、そこから先は覚えていません。何の盛り上がりもなく、キャッチボールのように弾む会話もない。今の教科書とはずいぶん違いますね。つまらない文章だと思われるでしょうか?私自身は、初めて習う英語にわくわくしていたので、これで十分満足していました(笑)そして、こんなキホンのキとも言える文を何度も何度も繰り返し言ったことを覚えています。
この”I like English.”にせよ、よく引き合いに出される”This is a pen.”にせよ、よく「そんな表現、いつ使うんだ?」とからかわれますが、実はとても大事なことを教えてくれたと思っています。私が言いたいのは、表現として便利だとか、使う頻度が高いとか、そういうことでは全然ありません。この単純な文の繰り返しが、日本語とは違う英語らしい語順を、当時の中学生の私の体に根付かせてくれたように思うのです。実際こうして覚えているくらい繰り返させてもらったおかげで、私は〈主語+動詞+その他のもの〉という形を視覚的にも聴覚的にも自然に受け入れることができました。
さて、その後、中学校の英語の教科書は会話主体のものに変わっていき、会話の中にその単元で習得すべき文法や表現が盛り込まれるという、一見楽しげで、コミュニケーションに役立ちそうなものになりました。でも、何か、一生の拠り所になるような英語らしい文の繰り返しを軽んじているようにも思えます。さらに、暗記しては忘れる使い捨てのような勉強のし方をしているなら、なおさら残るものは少ないですよね。
今、こうしてB.B.カードを使っていると、一生の拠り所となるような文を64も、しかも楽しく繰り返しながら、子ども達の中に染み込ませることができているんだなぁと感じます。BBで育った子たちは、(気づいていないかもしれませんが、)そうやっていつの間にか英語の語感を育み、自分で勉強するための自信をつけていきます。中学、高校で、たくさんの表現を知識として覚えることももちろん必要ですが、それ以上に必要なのは「ゼロから造り出す力」です。そして、それを可能にするのが土台(=語感と自信)です。
私を支えた”I like English.” その64倍もの頼もしいBBセンテンスが子ども達を支え、応援しています。