高校生のみんなへ |
もちろん例外はありますが、テキメンに効果があるのは学校の定期テスト対策くらいですね。それも、英語力として効果があるというよりは、あくまでもテストで点数を取るためです。なので、応急処置として使うのはOKです。
では、なぜ暗記に頼る勉強を勧めないかというと、
(1)暗記したものは忘れます。テストのために短期記憶に押し込んでも、テストが終ったとたん開放感とともに消えてしまいますよね。短時間で暗記したものは維持していられないのです。
(2)覚えたものを忘れると凹みます。本1冊、覚えた先から忘れるという繰り返しにでもなれば、不甲斐ない自分を責めることになります。もしくは、不毛な努力に疲れて、投げ出してしまうことになります。
(3)暗記したものは、覚えたとおりに思い出せないと不安になります。覚えた文が「唯一の正解」で「完成形」に思えて、しがみつきたくなります。ですから、部分的にでも忘れると不安になるのです。
これは、英文だけではなく、単語でも同じです。文法でも、発音でも同じです。
では、どうすればよいかと言うと・・・簡単です。暗記しようとしないことです。
暗記は、一見「一生懸命勉強するための最良の方法」に思えるかもしれません。努力の象徴、これぞ勉強のような気がするかもしれません。でも、実は逆です。勉強を甘く見ないでください。本当に一生懸命勉強するなら、暗記などという「安易」な方法に頼ってはいけないのです。その代わりやるべきことがあります。たくさんの英語を読み(黙読、音読)、聴き、同時に使ってみなければなりません。読書としての本でも教科書でも、長文でも文法問題集の文でも、何度も何度も読んでほしい。時間を作ってでも聴いてほしい。
しつこいようですが、暗記しようとせずにです。考えようによっては、暗記した方が楽かもしれません(笑)。でも、暗記なんてしてる場合じゃないんです。大事なエネルギーは、大量に反復し、自分で調べ、考え、感じ、おもしろがり、作り出し、自分を向上させることに使ってほしいのです。
そして、いよいよ受験勉強が佳境に入ってきたら、必要だと思う文法や表現、単語をチェックしながら暗記します。そこは文句無しです。受験勉強の仕上げですから、もちろんやる時はやります。
さて、こうやって勉強するとどうなるでしょう。
(1)学んだことが長期記憶となり、維持できます。
(2)自分を責めずに、前向きでいられます。
(3)「唯一の正解」も「完成形」もないので、自分の力で英文を組み立てられるようになります。
文法も表現も単語も、単なる知識としてではなく、長期記憶まで送り込む。英語そのものに慣れていく。そしてしっかり整理するのです。すると、ちょっとやそっとじゃ消えない当たり前のものになる。そこまで行かないと本当の力じゃないでしょ?
やる時はやる!後悔しないようにがんばってください。応援しています。
【魚住】