元気な脳の作り方(6) |
1回目は「脳に推測させ発見させる」、2回目は「脳に伝えようと工夫させる」、3回目は「脳を喜ばせる」、4回目は「脳に帰納的に考えさせる」、そして5回目は「脳に寄り道をたくさんさせる」という内容で書きました。他にも脳を元気にする方法はたくさんあると思いますが、そろそろこの辺でまとめようかと思います ^^
さて、ここまでは、元気な脳=活性化という流れで来たのですが、最後にもう1つ、大事なことを書いておきたいと思います。それは、「脳をひとりにさせる」ということです。何も要求せずに、作業もさせず、ちょっと時間と空間をあげることが実はとても大事だと思うのです。
私は、よく「忙しそうですね」と言われますが、本当はボーッとするのが大好きです。というか、私にはそれが必要です。集中して考えることも必要ですが、ボーッとしている時に意外といいアイディアが生まれたりします。頭の中で情報やイメージがゆっくりと動き回わり、化学反応を起こすためには、時間が必要です。頭の中で離れているものが出会ったり、ごちゃごちゃになっているものが自ら順番を入れ替えて整っていくにためは、空間が必要です。もちろん実際に空間ができるわけではないのですが、止まることで隙間が生まれるような気がするのです。それが、脳を「ひとり」にしてあげるという感覚です。
子ども達も、学校で、塾で、習い事で、部活で、他者と関わり続けています。勉強はもちろん、指示された事をこなしたり、何かを任されたりすることもあるでしょう。対人関係で悩んだり、次々と押し寄せることに溺れそうになってうまくいかないこともあるでしょう。たとえ遊んでいても、脳はフル回転しているはずです。それなのに、家でボーッとしようものなら、「〇〇は終ったの?」「早く〇〇しちゃいなさい」の猛攻撃・・・なんてことはありませんか?(笑)
子どもの脳だって、「ひとり」になることが必要だと思います。いえ、子どもの脳にこそ必要だと思います。そうでなければ、ぼんやりと夢を思い描くことも、じっくりと反省することもできないでしょう。自分の中にあるはずの思いを自分の言葉にする余裕もないでしょう。
ここで言う「ひとり」は、「ひとりぼっち」という意味ではありません。誰かがそばにいても「ひとり」になることはできますし、たとえ一人でいても「ひとり」になれないこともあります。時間の長さの問題でもないと思います。大人の姿勢の問題、意識の問題かもしれません。それが、大人として「待つ」ということでもあると、私は思います。
B.B.カードの授業でも、活性化と同時に、熟成させることを大切にしています。テンポも大笑いすることも大事ですが、ゆったりと過ごすことも大事。授業でやったことをその場でわかってもらえなくてもOKです。脳が「ひとり」になった時に「あ、そういうことか!」と気づくことも、元気な脳作りには欠かせないと思っています。