Hiro君のこと |
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2015年 10月 15日
N先生のお教室に、Hiro君がお母さんと一緒に来たとき、彼は幼稚園の年少さんでした。とてもシャイな甘えん坊さんで、お母さんから離れようとしませんでした。結局、お母さんの膝に座り、親子で一緒にレッスンをすることとなりました。初めは、おずおずと、そしてムニャムニャと小さな声でリピートをしていましたが、回を重ねるごとに少しずつ、センテンスが言えるようになると、だんだんと大きな声が出るようになりました。 ある日、お母さんにはどうしても手が離せない用事があり、Hiro君を教室まで送るとすぐにお帰りになったことがありました。Hiro君は最初、不安そうでしたが、無事にレッスンを終えることができました。お友達もできて、お母さんがお迎えに来るまで、楽しそうに話していました。この日、Hiro君は、少しお兄ちゃんになりました。次のレッスンからは、お母さんが、一緒でなくてもひとりで参加できるようになったのです。 Hiro君が小学生になり、お母さんは送迎する必要もなくなりました。教室にひとりで元気にやってきて、元気に帰ってゆきます。ところが、数ヵ月後、Hiro君が突然変貌します。荒れだしたのです。ゲームに参加することもなく、もちろん、センテンスをリピートするどころではありません。カードケースの中は、絵カードも文字カードも、全てめちゃめちゃで、マークごとに分けるのが一仕事でした。N先生は、お母さんにHiro君の最近の様子をお話して、おうちで何か変わったことはないかと尋ねました。すると、お母さんが仰るには、Hiro君が小学校にあがり手が離れたので、介護の仕事に出るようになったとのことでした。Hiro君が学校から帰っても、お母さんは家にいなかったのです。いわゆる「鍵っ子」になったのでした。この時期とHiro君が教室で荒れだした時期がぴったり一致します。 N先生は、お母さんにこんなお願いをしました。「ぜひ時間をとって、Hiro君と一緒にB.B.カードをそろえてください。『もう、一年生なんだから自分でしなさい。』とは言わないで、『一緒に』カードをそろえてくださいね。」お母さんはN先生の仰る言葉の意味がよくわかって、言われたとおりに、カードを一緒にそろえるなど、彼と共に過ごす時間を大切にするようになりました。 その後のHiro君は、すっかり精神的にも安定して、ゲームにも積極的に参加するようになり、もとのHiro君を取り戻しました。 尊敬するN先生からは学ぶことがたくさんあります。たとえば、N先生の生徒たちを見るまなざしは、いつも優しく平等です。どんな腕白坊主に対しても、決して理由もなく注意することも、叱ることもありません。そして私は「子供たちがゲームに暴走して困る」という話を一度もN先生から聞いたことがないのです。【難波】
by selm_BB
| 2015-10-15 00:00
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