B.B.カードのひみつ(1) 『文字と音 自分で発見するルール』 |
セルム児童英語研究会スタッフの木島です。
日々、定例会や各種講座、その他の場所で皆様から様々なご質問、フィードバックを頂戴しております。
そんな皆様からの質問をヒントに、「B.B.カード」について、文字と音の関係、文の構造、文法などの視点から少しずつお伝えしていこうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
Mad Monkey made a lot of money in many ways.
Nancy gave me nine new nails for nothing.
など、B.B.カードのセンテンスはナンセンスなものばかりですね。
「こんな可笑しな64のセンテンスが言えるからってどうなのか?」
こんな風に尋ねられたことも過去にはありました。しかし、実はこの64文、日本の子どもたちの英語学習の土台となるようにとてもよく考えて作られているのです。
B.B.カードの正式名はLetters & Sounds 64です。このことから分るとおり、もともと文字と音に焦点を当てています。
韻を踏んだ短文で記憶に定着しやすく、しかも韻を踏んでいる部分は同じつづり字の語を使っているため、子ども達はたやすく文字と音の関係に気づくことができます。
ダイヤとハートは子音のグループで、thやphなど連続した子音(ダイグラフ)も含みます。クラブとスペードは母音のグループで、短母音、長母音、サイレントeなどルール性のあるもの、同音異綴、異音同綴が入っています。
ダイヤ (子音) | b[b] , c[k], c[s], d[d], f[f], g[g], g[dʒ], h[h], j[dʒ], k[k], l[l], m[m], n[n], p[p], qu[kw], r[r] |
ハート (子音) | s[s], s[z], t[t], v[v], w[w], x[ks], y[j], z[z], ch[tʃ], gh[f], ng[ŋ], ph[f], sh[ʃ], th[θ], th[ð], wh[(w)h] |
クラブ (母音) | a[æ], e[e], i[i], o[ɔ], o[ʌ], u[ʌ], a_e[ei], ai[ei], ay[ei], ea[i:], ee[i:], i_e[ai], igh[ai], --y[ai], u_e[ju:], o(ld)[ou] |
スペード(母音) | oa[ou], o_e[ou], ow[ou], oo[u], oo[u:], ou[u:], ou[au], ou[ʌ], a(l)[ɔ:], (w)ar[ɔ:], au[ɔ:], ough[ɔ:], ear[ə:], ir[ə:], (w)r[ə:], ur[ə:] |
一見、まるでフォニックス教材のように見えるでしょうか?
通常のフォニックス教材では、音と文字の関係をひとつひとつ「教えて」いきます。そして子ども達はそれを「覚える」ことをしていきます。
ところが、B.B.メソッドでは、最初は絵カードだけでひたすら遊びます。その後、センテンスが身体に染みこんでから、文字カードを「読む」ことを始めます。何度も何度も耳にして口にしているセンテンスの「音」を、この段階で「文字」と一致させていくことで、子ども達が文字と音の規則性を「自分で発見する」ように導いていくのです。
B.B.のセンテンスに組み込まれているのは、フォニックスだけではありません。次回は句についてお話します。【木島】