逆立ちしたらみえるかな?(63) B.B.メソッドのすべて(5)音素と音節 |
さて、日本語の最小音声単位は音節(syllable)ですが、英語の場合は音素(phoneme)です。
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2020年 10月 15日
こんにちは。
難波です。 「B.B.カードのすべて」と銘打ち、あれこれおしゃべりしております。 「B.B.メソッド」が目的とする英語の「語感」作りを成し遂げるために必要なものの一つとして「英語らしいリズムとイントネーションで『英文』が言えること」の重要性について「逆立ちしたら見えるかな(60)」でご説明しました。その中で、ご紹介した「音素」と「音節」という用語について簡単に解説します。 「逆立ちしたら見えるかな(60)」では、次のようにお話ししました。
大まかにいうと「音節」とは 「母音(vowel )」を中心としたまとまりです。日本語の場合、「あ(a)、い(i)、う(u)、え(e)、お(o)」以外のほとんどの音節は「子音(consonant)+母音」で作られています。例えば、「か(ka)」は [k]という子音と[a]という母音でできていますね。そして「音素」とはこの「か」を構成するそれぞれの音[k]と[a]のことを指します。母音が1個あれば子音の数は2個以上あっても「1音節」と考えます。 さて、ここで質問です。「ねこ」は何音節でしょう? はい、「ね(ne)」と「こ(ko) 」で2音節です。 では英語で"cat"は? これは、音素は3つ([c][æ][t])です。「子音+母音+子音」で、子音は2個ありますが母音は一個。ですから1音節です。 だんだんややこしくなってきたでしょうか(^^;)?次の質問で終わりにしますね。 日本人の子どもが、初めて"cat"という音を聞いた時、どんな音を思い浮かべて、発音するでしょう? おそらく自分の知っている音に置き換えて「キャッ・ト」あるいは「キャ・ッ・ト」と言ってしまうのではないでしょうか?つまり、日本語と英語では「音の捉え方」が全く違うのです。(実は、日本語のような形で「音節」を意識する言語は、世界的にも少数派だそうです。また、日本語は「一拍(モーラ)」で音を区切るのに対して、英語は音節だけでなく強弱のリズムのまとまりが重要な単位でもあるそうです。注 ) B.B.メソッドでは、「単語」単位ではなく「センテンス」単位で、文字で書かれた単語を「読ませる」前に子どもたちに英語をリピートしてもらいます。そのため、"The cat in the hat"の部分を、どの子も「ザ・キャット・イン・ザ・ハット」とは言いません。CDや先生の発音に近い形で「ザ・キャッ・イン・ザ・ハッ」のような音を出していますよね?つまり、機能語である冠詞(the)や前置詞(in)も無意識に弱音で発音しています。ですから、のちに文字カードを読むときも、すでに刷り込まれた音声をたよりに、文字に引きずられることなく、音声に意味を持たせて自然なリズムやイントネーションで読める(言える)のだと思います。 さあ、寄り道は今回で一旦終了です。次回は「語感」獲得に欠かせない条件のその2「潜在知識として発話や作文の拠り所があること」に話を進めます。【難波】 ______________________________________________ (注 耳から入ってきた音の「区切り」の日英の違いについては、「ちいさい言語学者の冒険」(広瀬友紀 著 岩波書店 2017年 p22-23)にわかりやすい説明がありました。参考にさせていただきました。)
by selm_BB
| 2020-10-15 00:00
| B.B.メソッドのすべて
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