BBあるある劇場 (87) 〜 教えるのは好きですか? (5) 〜 |
前回のブログは、「教える」代わりに私がやっていることは何だろう?という視点で、「繰り返し」に注目して授業でのやり取りを切り取ってみました。一断片のみの紹介で、しかも言葉足らずだったとは思いますが、繰り返すことが言語習得にとって欠かせないものだということには異論は少ないと思います。
繰り返すことで「慣れる」「できるようになる」・・・全てはそこから、と言っても言い過ぎではないでしょう。
もちろん、子どもによってはとても時間がかかることもあります。心の成長を待たなければならないこともあります。でも、それはその子に必要な時間だったと振り返ることができる日が必ず来ます。64のB.B.センテンスはもちろん、その言い換えも含めて、遊びの中で、遊びの一部として楽しく「繰り返す」ことを、どうか諦めないでください。
さて今回は、「繰り返す」の他に、「教える」代わりに私がやっていることを思いつくままに挙げてみたいと思います。
お手本になる
私はバイリンガルでも何でもありませんが、少しでも…と気をつけていることがあります。
・英文は英語らしいリズムとイントネーションで、そして自然なスピードで、意味のある言葉として言う。
・日本語を英語にせず、イメージを英語にする。
・シンプルで具体的な文を示す。
・一緒に言ってみる時は強制せず、子ども達の意思で言える雰囲気を作る。
・子ども達の英語が間違っている時は訂正せずに、リキャストする。
・良いところは子ども達どうしお互いにマネしていいと言う。
・日本語で意味取りした場合は、もう一度英語で言って終わる。
心を動かす
子どもによって「楽しい」ことは違います。ゲームの他にもいろいろやってみると発見があります。
・おしゃべりや笑いを大切にする。
・ワークブック類や、字カードに線を引くなどのアクティビティを積極的に取り入れる。
・絵本の読み聞かせ(セルム式リーディングの感覚で)と、絵や内容についてのおしゃべりをする。
自信に繋げる
教室には「気づき」とも呼べない小さな「何となく」が浮遊しています。母語なら自然に発生する abduction も trial and error もちょっとした足場掛けが必要だと思います。
・たくさんの材料、データ(つまり英文)に触れてもらう。
・子ども達どうしで相談したり、協力してもらう機会をつくる。
・「何か気づいたことある?」と聞く。
・「正解は1つじゃない」「正解がないこともある」ことをわかってもらう。
・「できる」「簡単だ」と感じるようなものを入れる。
・一度「気づいた」ことも忘れると覚悟しておく。
寄り添う
言葉の習得と「成長」は切っても切れない関係にあると思います。
・一緒にいろいろなものに目を向ける。
・一緒に考え、提案し、子ども自身が決めたことを尊重する。
・知的向上心や精神的成長とのバランスに気をつける。
・こちらから宿題は出さない。
・苦手なことより得意な部分を伸ばしてもらう。
・保護者にもBBメソッドを理解してもらい、長い目で見守ってもらう。
それぞれについては、今後また書いていきたいと思います。
が、とにかく、理屈抜きで私はこう思っています。
小学生のうちは、土台づくりでいい、むしろ土台づくり「が」いい。だから、焦らない。
土台がしっかりしていれば、大丈夫。「ここからが楽しみ」と信じて、土台づくりに励む。
それが、私にとっての「教えない」かな。
【魚住】