逆立したら見えるかな?(22) |
子どもたちは高学年になると文字への関心を持ちはじめる。これは、言語習得過程で分析能力が高まることにより、単語をひとつのまとまりとして扱うだけでなく、文字と文字の関係にも注意がむくようになるためではないか。
・年齢や英語歴が同じ300名くらいの母集団においては約2割強の60名ないし65名くらいは、音声や、つづり、文法などの規則性に気づいていた。
・年齢や英語歴もバラバラの小1から小6の50名ほどのグループにおいても、同様の結果が見られる。
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2017年 07月 13日
九州各地での豪雨の報に、心が痛む日々です。
大変な毎日をお過ごしの皆様へ心よりお見舞い申しあげます。 さて、井狩幸男先生による「言語教育における文字の役割」についてのお話をうかがっての感想記をひきつづきお届けします。 井狩先生は、以下のように仰っています。
そして、この時期が「文字指導に適しているのでは」とも指摘なさっています。 この「分析能力」が「言語習得過程」つまり、「ことばを身につけるプロセスの中で」つちかわれていくものだという点には大いに共感いたします。 ただ、それは小学校高学年にならなくてもありえるし、逆に高学年でも難しい場合があるのでは?というのが私の経験からの実感です。 B.B.メソッドで英語に馴れ親しんだ子どもたちの調査結果からは次のような傾向が見られています。
また、井狩先生もご指摘ですが、「音声を聞くとわかるのに、つづりをみても意味がわからない」傾向のあるお子さんもいらっしゃいます。 文字指導に関しては、年齢にあまり関係がなく、低学年でも興味のある子はとても書きたがるし、高学年だからといってその能力が育っているとも限りません。小学校での英語指導に関しては、この点についても慎重にそして柔軟に対応してもらいたいところです。【難波】
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by selm_BB
| 2017-07-13 00:00
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2017年 06月 22日
![]() 今回は、さらに今後の課題となることについて考えをめぐらせたいと思います。 再び井狩先生のお言葉から引用いたします。 「言語習得をさらに進めるためには、英語を単に使うことから、英語自体に目を向けるようになることが必要不可欠です。」 (下線部筆者加筆) ここで、井狩先生は「英語を単に使う」とサラリと仰っていますが、この部分がとても大事なように思います。この前提があって、はじめて、文字なり文法なりの「知識」をともなう「英語」に目を向けるということが可能になるという意味だと私なりに解釈しております。だとすると、この「英語を単に使う」環境を作ることがとても大切ですね。 これは「英語の音をたくさん耳で聞き、五感を使っていろいろな体験や状況を通じてなんとなくわかる」環境です。母語を身につける場合には、あたりまえすぎて問題にならない環境ですが、EFLの場合、なかなか作りあげることが難しいのではないでしょうか?これは、各地の小学校を見学して、また、さまざまな児童英語の実践の様子を観察してきての実感です。 最近のベネッセの調査では、「小学校英語が中学で役に立っていない」と感じている中1生の数が増えたそうです。小学校での英語教科化を目前として、小中の連携ももちろんですが、小学生には、小学生らしい形でその後に続く本格的な英語学習の「土台」となる力を身につけてもらいたいです。 そのためにも「英語を使う」という環境を作っていくお手伝いをこれからもしていきたいと考えております。【難波】 ■
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by selm_BB
| 2017-06-22 00:00
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2017年 06月 01日
![]() 以来、このやり方に共感してくださる指導者の皆さまや、「B.B.大好き」から「英語大好き」に育った子ども達に支えられて使い方もどんどん進化中です。 大変ありがたいことです。 B.B.カードは英語を教える子ども達がヒントをくれて誕生しました。つまり、何らかの理論をベースに作られたものではありません。そのため、「データに基づいていない」「主観的すぎる」などのお言葉を受けて悲しい思いをすることもこの40年の間には数え切れないほどございました。 そのためでしょうか、B.B.の良さを学術的、理論的ににサポートしてくれるものがあると大変嬉しく、また大変励まされる思いになります。 実は、先日もとても興味深いお話を伺う機会がありました。今回からしばらくは、そのお話から私が感じたことを「芋づる式」にご紹介いたします。 参加したのは英語教育ユニバーサル研究会(略称:英語UD研究会)という勉強会です。この会は、「すべての子どもたちにとってわかりやすい」英語の授業について真摯に考える皆さんが研鑽を積んでいらっしゃいます。 5月の勉強会では大阪市立大学大学院教授の井狩幸男先生のレクチャーがありました。テーマは、「脳科学から見た言語習得の仕組み」。これが、私の実感と経験に大変近いものでした。 まず井狩先生がお話しなさったのが「言語教育における文字の役割」です。 私が興味を持った部分について、いただいたハンドアウトから抜粋いたします。 前者の「早期言語教育で文字を扱うことは・・・」のくだりは、自分の経験に照らしても納得することしきりです。子育てを経験したことがある方は皆さんそうお感じになるのではないでしょうか?もちろん、母語(日本語)での経験からということになりますが、日本語の場合、ひらがなやカタカナを読み始めると、子どもたちの語彙も増えますね。そんな様子をみると、一段と成長を感じるものです。 後者の「小学校の低学年及び中学年で・・・」の部分ですが、B.B.メソッドではまず「絵と音」の一致を図りつつ「声かけ」で「意味と音」を結びつけていきます。そこが整いかけたあたりで本格的に文字の「導入」をいたします。つまり、絵カードを使ってたくさん「遊ぶ」中で、井狩先生のお言葉を借りると「コミュニケーションの基礎固め」をしているわけです。 また、以下のようなお話もありました。上記同様にハンドアウトからご紹介します。
要するに、まずは「全体を音」で。その後、文字を学ぶことにより、その「音のかたまり」の中からひとつひとつの単語や単音に気づくことができる、ということですね。 B.B.カードに即して考えてみましょう。 「ベティボターボーサンバター」が"Betty" "Botter" "bought" "some" "butter"と「分かれている」ことに気づく、「へー、『ボーサン』じゃないんだ。"bought" "some"なんだ!"bought”は『買った』ってことなんだね!」これが「英語自体に目を向け、分析的に扱う」という意味ではないでしょうか? 「全体から個」と私は長年申し上げて参りました。井狩先生のお言葉では「全体から部分」ですが、その方向に意識が動くことが言語を習得する上で非常に重要かつ有効だとのお話で、「まるでB.B.!」と、お話を伺いながら大変嬉しく、ドキドキいたしました。【難波】 ********** 英語教育UD研究会:https://www.manabishien-english.jp ■
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by selm_BB
| 2017-06-01 00:00
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2017年 05月 04日
ゴールデンウイークの連休も後半ですね。
明日は「こどもの日」。 以前に比べ鯉のぼりの数も少なくなりましたが、皐月の風にはためく鯉のぼりを見かけるたびに、どんな子どもにも、のびのびと楽しい子ども時代を過ごしてもらいたいなあと感じております。 前回まで、難波が担当する回では、どうして「遊び」を語学学習に組み入れた方がいいのかをお伝えしてまいりました。「知識の積み重ね」を求める中では、子どもたちは失敗をしないように、間違えないようにという方向に気持ちを向けてしまい、冒険や挑戦することを恐れてしまいます。「失敗してもドンマイ!」の気楽な気持ちで取り組めるのが「遊び」のよさです。その中でこそ、子どもたちは成長していけるのです。 そして「遊び」の中で、私が子ども達にぜひ育ててもらいたいのが英語の「語感」です。 コミュニケーションをスムーズにする瞬発力や、その瞬発力のもととなる英語を英語で理解する力は、「語感」という土台があることが絶対条件です。このことは、私の長年の経験からの確信でもあります。そして、「語感」は、英文を「覚えた」段階では獲得できません。 子どもたちは、特に小学生以下でしたら、「耳慣れない連続した音を意味がわからなくても言える」という素晴らしい能力をまだ持っています。この能力こそが、英語の土台となる「語感」を育てるために不可欠なのです。そして、この「語感」は、言えても、言えても、なお繰り返し耳にしたり、使ったりすることで、早いか遅いかの差こそあれ、どの子も獲得できるものです。そうやって育った「語感」がありさえすれば、子ども達は、明示的文法知識がなくても英語の音、文字、語、句、文の比較をしたり、推測したり、類推したりする力を発揮できると思います。 ですから、小学校英語を教科にして、どんなに楽しく、そして噛み砕いて教えたところで、教えたものは「知識」にはなっても子どもたちは言葉としてそれを使うことはできないのではないか?というのが私の持論です。語彙、文法、音声などバラバラに教えて、語彙と文法を知っているかいないかを子ども達の英語能力の判断基準にして欲しくありません。文字指導についてもしかり。もともと子ども達の持っている、比較、推測、類推力を高めるためにも文脈と切り離さない指導をお願いしたいものです。 またまた、熱く語ってしまいました。 各地の子どもたちがそれぞれの場所で、穏やかな楽しい子どもの日を過ごせますように祈っております。【難波】 ■
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by selm_BB
| 2017-05-04 00:00
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2017年 04月 20日
今回はB.B.カードのセンテンスに使われている「フレーズ(句)」にまつわる秘密をお話ししたいと思います。
B.B.カードのセンテンスは全て「オリジナルセンテンス(以下、OS)」と「フレーズ」部分から成り立っています。 最初はOSだけを声に出しながら絵カードで遊ぶため、「イラストの下に書いてあるフレーズは、いつ使うのですか?」と、ご質問を頂くことがあります。目安として、OSが8割がた定着したらフレーズを加えたフルセンテンスを入れていきます。 異なるカードのOSとフレーズを色々と組み合わせてみましょう。子ども達は一つのフレーズが他の場面でも使えることを知り、その言葉に習熟していきます。 Mad Monkey made a lot of money for his mother. いろいろな方法でお金儲けをしてgreedyな印象のMad Monkeyは、実はお母さんのために身を粉にして働いていた孝行息子だったのでしょうか?ここから想像を膨らませて、4コマ漫画のストーリーが書けそうですね。ちなみに、Mad MonkeyのOSとBettyちゃんのフレーズを組み合わせたので、フレーズの中の代名詞所有格がherからhisに変わり、新たな学習の種も生まれました。 ところで、B.B.カードに出てくるフレーズは、やみくもに選ばれているわけではありません。 「前置詞+名詞」の句は、子ども達が一つの前置詞にさまざまな用法があることに気づくよう、まんべんなく選ばれています。(*下表参照) 子ども達は、それらの前置詞句を「at~に、~で」「on~の上に」などと日本語に置き換えて覚えることなく、英語のまま かたまりで捉え、「前置詞+名詞」の名詞部分を他の語に変えることによって表現の幅を広げていくのです。 OSにたっぷり馴染んだ子ども達と、いろいろなフレーズを組み合わせて新しい文章や物語をたくさん作ってみましょう。 【木島】
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| 2017-04-20 08:42
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2017年 04月 13日
![]() 難波です。 このブログをお読みの皆さんやB.B.カードをお使いの先生方にとっては、私が一貫して「英語の『知識』を子どもに与える前に『語感』を育てよう」と主張していることはご存知だと思います。 そしてその「語感」を育てる場として「遊び」を重視していることも。 これは、私の現場での経験から導きだした考えです。大昔、私も通常のやり方で、テキストブックを使い子ども達に順序立てた形で英語の「知識」を与えるレッスンをしておりました。しかし、そのやり方では、子どもたちは、与えられた知識以上に何かを発展させることはなかったのです。英語を子どもに教えていらっしゃる皆さんは、同様の経験をお持ちになったことはないでしょうか? 一方、「遊び」であれば、どの子もほぼ確実に、物事に「挑戦」したり、「冒険」したりしてくれるのです。繰り返し、この経験をして気づいたことがあります。それは、「子どもたちが遊びにおいては失敗が許されるし、失敗など全然問題ではない」とわかっているということです。ですから、気楽に挑戦や冒険ができる、というより、してみたくなるのだと思います。そして、なぜか失敗がおもしろかったり、楽しかったり、笑えちゃったりできるものですから、子どもたち同士の絆が生まれ、クラスの雰囲気もよくなります。当然、そういう空気の中で、子どもたちの学びも深まります。それに加えて、「失敗」や「脱線」から思いもよらない方向に学びの方向が向かい「発展」していくのです。そういう自然な流れの中で、言葉というものは身についていくのではないでしょうか? 一方、「勉強」ではどうでしょうか?小テスト、中テスト、期末テストなど、常に覚えたかどうかの成果を問われます。やさしいものから、難しいものへと段階を経て進む「積み上げ方式」では、子どもたちはただ単に知識を蓄積することに力をいれます。「考えない」し、失敗や冒険を繰り返すこともできないので、進歩も発展もないのです。 小学校英語の教科化が、この従来の「知識積み上げ方式」を踏襲するのであるとしたら、大変残念なことに思えます。本当に教科化は正しい選択だったのでしょうか?【難波】
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by selm_BB
| 2017-04-13 00:00
| BBカードメソッド
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2017年 03月 23日
![]() もちろん何事も例外はあり、B.B.カードでレッスンをしていると「先生、遊んでないで早く勉強しようよ」と、いう子も確かにいました。 しかし、最近の子どもたちは、特に都市部では、小学生でも「受験」に備えて「お勉強」に熱心に取りくんでいる子が大勢います。「えらいなあ」と感心する一方、果たしてこれでいいのかしらと思うこともしばしばです。 なぜなら、真剣に「お勉強」をしている子ども達がしていることの中身は「教えられた知識の蓄積に励む」ことだけだからです。 それだけで果たしていいのでしょうか? 単なる知識の蓄積だけでは、脱線もない代わりに、発展的な広がりも望めません。しかも、「教えられたことを教えられたとおり」にそつなく解答する中では、正解はひとつですから、冒険もできません。冒険ができなければ、自分の考えをはさむ余地がないのです。「考えないでいい」と言われているのと同じです。そして、そうした知識の蓄積が得意な子、記憶力がいい子、頑張れる子が「優秀な子」として認められていくのです。そんな「考えなくていい」「考える場がない」まま成長していく子どもたちの将来はどうなってしまうのでしょうか? 次の学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が重視されるそうです。このような「知識偏重」の学習の場に対しての反省から生まれた考えかもしれません。ただ、「学習の場」がそんなに簡単に方向転換できるものなのでしょうか? 私はむしろ、子どもたちに「遊びの場」を取り戻してあげるのが一番ではないかと感じます。この点につきましては、また次回。【難波】 ■
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by selm_BB
| 2017-03-23 00:00
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2017年 03月 02日
![]() 昨年最後のブログで、外山滋比古先生の「ちょっとした勉強のコツ」(みくに出版)から「アルファーのことば」「ベーターのことば」「ガンマーのことば」という表現を引用致しました。 今回、その表現をもう一度お借りして日本の子ども達がどこまで「外国語」を身につけることができるのかを考えてみます。 外山先生によれば、「アルファーのことば」とは、人間が生まれてまず身につける日常の最小限のコミュニケーションをとるためのことばです。具体的で、ものごとを直接的に示すために使われます。ただ、それだけでは抽象的な概念を表すことはできません。それでも、子どもたちは、おとぎ話や昔話を通じて、あれこれ「想像」して非現実的な世界を脳裏に描き、時空を超えた内容を理解できるようになります。これが「ベーター」のことばです。さらにこの「ベーターのことば」から、ストーリー性を取り去り、抽象度を高めたものが「ガンマーのことば」です。いわゆる「論理」を扱うのがこのレベルです。 この3つのレベルの「ことば」を身につけることが母語でも外国語でも大切なのは言うまでもありません。そして、母語においては、「アルファー」→「ベーター」→「ガンマー」の順番で習得されていくはずです。 英語学習に関して言えば、EFL環境にある日本人の子ども達にとっては、「アルファーのことば」を時間をかけて蓄積することが不可能な状況です。それでもB.B.カードを使ったレッスンをしている子どもたちを見ていると、どうやらこのプロセスがなくても「ベーター」のレベルのことばを身につけることができるということがわかってきました。 B.B.育ちの子ども達は、カードで使われていることばを組み合わせて「一コマ漫画」からはじまり「4コマ漫画」へ、さらにはちょっとしたお話作りまで楽しめるようになるという報告は、全国の先生からいただいております。もちろん、そういう子ども達が学んでいるお教室では、英語の絵本やお話の読み聞かせも取り入れられているからこそ、想像力にあふれる「ベーター」の英語を習得できているのでしょう。 そしてB.B.育ちの子ども達がお教室でやっていることといえば、「遊びの中で、知らず知らずのうちに英語を繰り返し耳にし、口にしていること」なのです。このようにして、英語を無意識のレベルで蓄積させていくこと、「お勉強」ではない形でレッスンを行うこと、これがベストな方法だというのが私のたどり着いた結論です。 今後の課題は、こうして「ベーターのことば」を身につけた子どもたちがどうやったら「ガンマーのことば(論説文、理論のある文章)」に興味を持ってくれるかということです。何か適当な方法、テキストなどがありましたらご教示願えれば嬉しいです。 どうぞよろしくお願いいたします。【難波】 ■
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by selm_BB
| 2017-03-02 00:00
| BBカードメソッド
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2017年 02月 16日
![]() セルム児童英語研究会スタッフの木島です。 日々、定例会や各種講座、その他の場所で皆様から様々なご質問、フィードバックを頂戴しております。 そんな皆様からの質問をヒントに、「B.B.カード」について、文字と音の関係、文の構造、文法などの視点から少しずつお伝えしていこうと思います。
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by selm_BB
| 2017-02-16 00:00
| BBカードメソッド
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2017年 02月 09日
![]() 「立春」も過ぎ、梅の花が咲いたという便りも届く候となりました。 「新年度」に向けて、町の英語教室や英会話スクールの「生徒募集」の案内を頻繁に眼にする季節です。受験シーズン真っ盛りでもあります。今ではゼロ歳児(場合によっては胎児も!)からおとなまでいろいろな形で「英語を学ぶ」場が日本各地にあります。学校もふくめたそうした英語教育の現場では、長年にわたり、海外からいろいろな「教授法」が輸入され、試されてきています。 それでも、なかなか「英語に強い」「英語ができる」人が育っていないのはどうしてでしょうか?諸悪の根源としてよくあげられるのが「大学入試偏重」の英語教育ですが、それだけではないように感じます。 そもそも、日本に輸入されて使われている「教授法」自体が、日本の環境になじまなかったのではないでしょうか?あるいは、その教授法を使って教える技術を教師が習得できていなかったのかもしれません。こうした輸入されて使われている教授法にはひとつの共通点があります。 それは、「やさしいものから難しいものへ」の積み上げ方式であるという点です。 「やさしいものから、ていねいに、ひとつずつ教えましょう」の何が悪いのか?と思われる向きもいらっしゃるかと思います。 前回お話ししましたが、母語において、子どもは使われている文脈や環境の中で「なんとなく」身につく「語感」からスタートしてまず言葉を身につけます。 「やさしいものから難しいものへ」の積み上げ方式では、この「語感」の部分は後回しになってしまうのです。その結果、努力と練習がイヤでない、あるいはものを「覚える」のが得意な一部分の子ども達以外、ほとんどの子ども達が置き去りにされてしまっているのです。 大げさに言えば、オリンピックに出場するようなトップアスリートが日常的に絶え間なく練習をすることで、技術とともに身につける「直感」に近いものが英語教育における「語感」の扱いに見受けられます。 たしかにEFL環境にある子どもたちにとって、英語の環境にどっぷりとつかりつつ、その場の状況を感じながらゆっくりじっくり「語感」を身につけるのは無理であることは明白です。では、やはり「一生懸命努力をする」とか先天的に「高いセンス」を持っているようなスポーツでいえばオリンピックレベルの能力がある子どもたちしか英語を身につけることはできないのでしょうか? そんなことはないと私は思うのです。 「やさしいものから難しいものへ」の積み上げ方式では後回しにされる「語感」をまず最初にもってきたらどうだろう?というのが、私のブログのタイトルの「逆立ち」の意味なのです。 2020年には東京オリンピックが開催予定ですね。世界中から運動神経に長け、さらに努力と辛い練習を厭わないトップアスリートが集まります。そのころには「努力も辛い練習も苦手だけど英語は得意!」な子が今よりも増えていることを願っています。【難波】 ■
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by selm_BB
| 2017-02-09 00:00
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