
1977年にB.Bカードができておよそ9年後、「とにかく騙されたと思って使ってみて・・・」が実って1986年にセルム児童英語研究会が設立されました。同時にNewsletterが発行されましたが、これはその第18号に掲載されたものです。
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'Letters & Sounds' Cards (From B.B.News No.18 dated April 14,1988)
単語を文章の中でお目にかかるチャンスを作るには readingですが、クラスを始めて3ヶ月くらい、phonics導入の直後か同時くらいに、readerを持たせます。 Readerは先生の考え、あるいは先生と生徒の好みで選びますが、入門期であるということ、「B.Bカード」を使っていることを考えて、次の条件をぜひ考慮に入れてください。
- 一冊のページ数が少ないもの。 多くて15~16ページくらい
- 絵がattractiveなもの (好みによる)
- 活字の大きさが大きすぎないこと。入門期にしては小さいかなと思うくらいのものがよい(中3の教科書の本文くらいのもの)
- ページの顔(紙面)を美しく整えるために単語と単語の間をつめたり、あけたりしてあるものや行間隔の広すぎるものは避ける
- 1ページ中の文章が7文以下のもの(ただし、3~4冊目以降はこの限りではありません)
- 入門期用の読み物として作られたために現在形ばかりで構成されているものは避ける
生徒にとって時制は大変にややこしい問題で、理屈抜きに、お得意の「何だかわからないけどそういうもの」として早い時機からたくさん触れさせておくことが望ましいと思います。特に、日本語では現在形で表すものが、英語では未来形で表したり、
He will go to Hawaii next year.
He will be ten years old next month.
日本語では現在形と思われるものが進行形であったりします。
彼は、今テニスをしています。 He is playing tennis now.
また、その逆もあります。
その家は丘の上に建っています。 The house stands on the hill.
さらに学習が進むと日本語の過去形と現在形がいずれも英語では現在完了形で表されたりするわけです。
宿題はもうやりました。 I've already finished my homework.
私たちはこの町に30年以上住んでいます。 We've lived in the town for thirty years.
B.Bカードの使い始めの頃、意味はよくわからないけどゲームに夢中になっているうちに言えるようになったのと同様、ここでもまずはstoryに興味を持ち、その先を早く読みたいとか、もっと本を読みたいと思うようになってくれれば、このような英語の言い回しにも出会える機会が増えて、慣れると思います。【難波】
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●「クラスを始めて3ヶ月くらい、phonics導入の直後か同時くらいに、readerを持たせます。」という一文があります。当初、小学校4,5年以上の児童対象にレッスンをしていましたので、この一文が入ったと思います。今ですと、B.Bカードは2歳児から大人まで使っていますのでこんな一文はありえません。
●当時はカードにトランプのマークがありませんでしたので64の文を4つのグループに分けて使っていました。そして全カード64文を2ヶ月(8周)で導入していました(今は10周です)。
●Phonics導入というのは、ルールを教えるということではなく、全カードに触れた後で、グループ1であれば[b]、[b]、[b]と言ってBettyのカードを、[k]、[k]、[k]と言ってCathyとKen and Kateのカードを、グループ3であれば[ei] 、[ei]、[ei]と言ってMr.Lake、DaisyそしてJayのカードに気づかせて全文をリピートさせていました。特にPhonicsとして教えているわけではありません。
●現在、セルムではreaderにPo-Poのシリーズを使っていますが、readerは最初からこのシリーズを使っていた訳ではありません。この本は、ほとんどが現在形と現在進行形ですから、本当は使いたくない本です。にもかかわらず現在使っているのには理由があります。be動詞はI, you, he, we, theyなど主語による語形変化が多いのに、ダイヤマークにはbe動詞の文がないので、本を読むことでbe動詞を印象付けるためにPo-Poを使っています。