BBあるある劇場 (89) 〜 教えるのは好きですか? (7) 〜 |
こんにちは、魚住です ^^
「教える」代わりにできることを思いつくまま書いています。
「楽しいこと」は大人でも心がわくわくしますね。心にポジティブに残るものという意味では、褒められることも、ゲームの楽しさももちろん大事ですが、今回は子ども達自身の中に生まれてくる「楽しさ」に焦点を当ててみます。
心を動かす
1. おしゃべりや笑いを大切にする。
2. ワークブック類や、字カードに線を引くなどのアクティビティを積極的に取り入れる。
3. 絵本の読み聞かせ(セルム式リーディングの感覚で)と、絵や内容についてのおしゃべりをする。
1. のおしゃべりは、もちろん日本語でもたっぷり。どんなことや物が好きかを話すだけでも、心の中がポジティブになります。
現在小3のYちゃんは、飼っている猫のそら君の話になると本当に嬉しそう。2年生の時に、家で小さな肉球の絵をたくさん描いて、切り取って持って来ては、毎週チップの代わりにカードの上においてポイントにしたりしていました。20枚くらいあったでしょうか、何せピラピラの小さな紙片なので、掴みにくかったり、すぐ吹き飛んでどこかに行ってしまったり、50分の授業中何度中断したことか…でしたが、同じクラスの優しいA君はそれを心配そうににニコニコ見守り、私もA君を見習って待っていました(笑)
そのうち、本物の猫は連れて来られないからと言って、そら君の代わりに猫型のクッションを持って来るようになり、しばらくすると、お気に入りのシマエナガ(鳥)のピヨちゃんのぬいぐるみも持ってくるようになり、Yちゃんはいつも大荷物でやってくるようになりました。
2年生も終わりに近づいた頃、ちょうど主語替えで盛り上がるようになっていました。
T:……The flying fish will get to the forest.
T&S:..The flying fish will get to the forest.
T:…….Mr. Celery lives in the city.
T&S:..Mr. Celery lives in the city.
T:…….The flying fish がcityに住んでるんだって。
……….The flying fish lives in the city.
T&S:..The flying fish lives in the city.
……….ふだんは都会に住んでいて、これから森に遊びに行くのかな?
Y:…….帰省するんじゃない?(笑)
T:…….きっと都会に住むのは大変なんだね。
……….じゃあ、そらが都会に住んでるなら?
T&S:..Sora lives in the city. Sora lives in the city. (笑)
Y:…….にゃ〜!
T&S:.(笑)
こんなやり取りをいくつかした後、先輩達が作った主語替えの手作りカードを見せると、俄然張り切り出す2人。実は2人とも絵がとても上手。2枚を選んで合体してみては、どの組み合わせで描こうかとわくわく。その時、
Y:…….そらでもいいの?
T:…….おお〜!いいよ!
Y:…….やった~!
……. (Mr. Celeryのカードを持って)これにする!
T:…….そらが cityに住んでるなら?
T&Y:..Sora lives in the city. Sora lives in the city.
Y:…….Sora lives in the city!!
一人でもとってもスムーズに言えていました。もう頭の中に情景がリアルに浮かんでいたのでしょう。
その後も、また絵カードを作った時には、
T:…….A mule was playing with a tube.
T&S:..A mule was playing with a tube.
T:…….そらがチューブと遊んでいたら?
Y:…….え~~?(笑)
T&S:..Sora was playing with a tube.(笑)
Y:…….あ、そらがピヨと遊んでいたら?
T:…….おお、いいね~!
T&S:..Sora was playing with Piyo! Sora was playing with Piyo!
Y:…….それでカード描きたい♪
T:…….いいよ~!
こんな感じで大はしゃぎで作った絵カードがこちら。
他にも、
Sora and Piyo went shopping.
Eddy will send me ten little cats.(これで11匹になる!)
A君も絵がとても上手で、主語替えを楽しんでいましたので、ご紹介します ^^
The flying fish has gone to Hawaii.
Red Rooster jumped into the jet.
他の先生から、絵を描くのが好きなクラスはそればかりになってしまって時間がなくなるという相談を受けることがあります。特に、中学年以上ですと他にもやりたいことがたくさんあるのに…と心配になりますね。
でも、その間も子ども達は心を動かし、頭と口を動かし、英語に楽しく触れています。先生は、ただのお絵描きで終わらせないように英文とイメージを結びつけられるようなやり取りをしてみてはどうでしょう。また、いろいろなゲームでそのカードを使って、その英文に何度も触れられるような工夫をしてみてください。作った絵カードからお話づくりに結びつけることもできますし、いつかその絵カードに対応する字カードを作るのもいい学びになります。先生の持って行き方一つです。
子ども達の気持ちも、知的好奇心も、刻々と変化していきますから、いつまでも「ブーム」が続くことはありません。Yちゃんも、いつの間にか、クッションやぬいぐるみも、小さな肉球も、持って来なくなりました(笑)大丈夫です。
次回は、
心を動かす
2. ワークブック類や、字カードに線を引くなどのアクティビティを積極的に取り入れる
についてお話ししたいと思います。
【魚住】