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2023年 04月 05日
こんにちは 難波です。 新年度が始まりますね。 気分も新たになる季節です。「B.B.カードを使おうかどうしようか」と迷われている先生方もいらっしゃることでしょう。 そんなみなさんから、この時期、次のような質問をよく受けます。 「B.B.のセンテンスをリピートするだけで、中学校の文法へと発展させられるのですか?」 確かに、従来型のコースブックをお使いの先生方からしてみたら、ただカード遊びをしてセンテンスをリピートするだけで、英語、特に文法を身につけることができるというのは、想像しにくいことかもしれません。まさに「不思議な現象」でしょう。こうした質問が出るのももっともなことだと思います。 さて、上の質問の答えは、YesでもありNoでもあります。 まず、上のような質問が出る背景を考えてみましょう。B.B.カードは児童英語(小学生英語)用のツールです。では、児童英語に携わっている皆さんは、「何を目的」として子どもに英語を教えているのでしょうか? 中学校での英語授業、高校受験で困らないため? 英検に合格させるため? 将来、国際的な場面で活躍できるように? とにかく英語が「楽しい」と思ってもらえればいい? そんなことあんまり、考えてもいなかった(笑)? それぞれのお考えがあるかと思います。 そして、上のような質問をなさる方は、「中学進学後、学校で習う英語の『文法の理解』に苦労しないでもらいたい」の思いがあるのでしょう。 B.B.カードは64個の文で構成されています。文法的なことに限って言えば、中学三年間で学習する内容がほぼ全て入っています。ですから、「中学校の文法へ発展させられるか?」の質問に対してのお答えは、ひとまず、yesです。 ただし、条件と段階があります。 *英語らしいリズムとイントネーションで言えるようになること *その上で、B.B.64文の意味内容を全て「わかって」いること この条件をクリアするということは、中学で学ぶレベルの文法は、潜在意識に入り、必要に応じて運用できる状態にあるということです。B.B.メソッドでは、この状態は「英語の土台(語感)」ができた、と考えます。この段階になると、子どもたちは自信を持って英語を学ぶことは「楽しいし、わかる」気持ちでいるはずです。 しかし、「中学校への文法へ発展」の意味が、文法の仕組みを「説明できる」と捉えるとしたら、事情は異なります。B.B.育ちで、英語が「なんとなくわかる」という自信を持った子どもであっても、「三単現」や「不定詞」の意味を「説明しなさい」と言われたら戸惑うことでしょう。それを「理解していない」ととらえることは簡単ですが、それ(説明ができること)が、果たして最重視されるべきことなのでしょうか? そもそも「文法の理解」とはなんでしょうか?「説明できること」が、理解の全てでしょうか?「英語の文法事項を説明できても、必要な時に使えない」のが日本人の大半ではないでしょうか? ですから、「児童英語で何を目的とするのか?」の教える側の「言語教育観」とでもいうべきもの次第で、B.B.カードを子どもたちに自信をつける「魔法のカード」とすることができるかどうかも変わってくるのです。 「自信」についてもう少しお話ししますと、B.B.カードのセンテンスは、英語を学習する生徒にとって、必要最低限、つまり日常的に使われる言葉(日常言語)レベルの語彙や文法に特化して作られています。B.B.カードを通して身につけた英語は、次に「学習言語」と言われる、より抽象度の高い言語や語彙を身につけるための「土台」にもなるのです。 そして、英語の土台(語感)が育った子どもたちは、中学校で英語の文法を学ぶ時に「あ、あのセンテンスだ!」と気づくことでしょう。「教えられたことを覚える」のと「自分で気づいた、わかった」という気持ちのどちらが、子どもたちの励みや自信になるでしょうか? その意味で、私は常々 「できるが先、知るは後」 とお伝えしているのです。 この新年度、新たにB.B.カードを使おうとお思いの皆さん、そして、すでにB.B.カードを愛用してくださっている皆さん、くれぐれもB.B.カードを「文法を教えるカード」という狭い範疇に入れ込まないでください。 さらにいうとコースブックとの併用も避けてもらいたいところです。理由は、コースブックは「知るが先、できるが後」で、B.B.カードとは真逆な思想で作られているからです。 「混ぜるな危険」ということですね(笑) B.B.カードをお使いになる場合は、子どもたちの「自信」を育てる「不思議なカード」として活用していただきたい、というのが私の切なる願いです。それこそが、B.B.カードを私が作った目的でもあるからです。【難波】 #
by selm_BB
| 2023-04-05 00:00
| BBカードメソッド
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2023年 03月 25日
前回のブログは、「教える」代わりに私がやっていることは何だろう?という視点で、「繰り返し」に注目して授業でのやり取りを切り取ってみました。一断片のみの紹介で、しかも言葉足らずだったとは思いますが、繰り返すことが言語習得にとって欠かせないものだということには異論は少ないと思います。 繰り返すことで「慣れる」「できるようになる」・・・全てはそこから、と言っても言い過ぎではないでしょう。 もちろん、子どもによってはとても時間がかかることもあります。心の成長を待たなければならないこともあります。でも、それはその子に必要な時間だったと振り返ることができる日が必ず来ます。64のB.B.センテンスはもちろん、その言い換えも含めて、遊びの中で、遊びの一部として楽しく「繰り返す」ことを、どうか諦めないでください。 さて今回は、「繰り返す」の他に、「教える」代わりに私がやっていることを思いつくままに挙げてみたいと思います。 お手本になる 私はバイリンガルでも何でもありませんが、少しでも…と気をつけていることがあります。 ・英文は英語らしいリズムとイントネーションで、そして自然なスピードで、意味のある言葉として言う。 ・日本語を英語にせず、イメージを英語にする。 ・シンプルで具体的な文を示す。 ・一緒に言ってみる時は強制せず、子ども達の意思で言える雰囲気を作る。 ・子ども達の英語が間違っている時は訂正せずに、リキャストする。 ・良いところは子ども達どうしお互いにマネしていいと言う。 ・日本語で意味取りした場合は、もう一度英語で言って終わる。 心を動かす 子どもによって「楽しい」ことは違います。ゲームの他にもいろいろやってみると発見があります。 ・おしゃべりや笑いを大切にする。 ・ワークブック類や、字カードに線を引くなどのアクティビティを積極的に取り入れる。 ・絵本の読み聞かせ(セルム式リーディングの感覚で)と、絵や内容についてのおしゃべりをする。 自信に繋げる 教室には「気づき」とも呼べない小さな「何となく」が浮遊しています。母語なら自然に発生する abduction も trial and error もちょっとした足場掛けが必要だと思います。 ・たくさんの材料、データ(つまり英文)に触れてもらう。 ・子ども達どうしで相談したり、協力してもらう機会をつくる。 ・「何か気づいたことある?」と聞く。 ・「正解は1つじゃない」「正解がないこともある」ことをわかってもらう。 ・「できる」「簡単だ」と感じるようなものを入れる。 ・一度「気づいた」ことも忘れると覚悟しておく。 寄り添う 言葉の習得と「成長」は切っても切れない関係にあると思います。 ・一緒にいろいろなものに目を向ける。 ・一緒に考え、提案し、子ども自身が決めたことを尊重する。 ・知的向上心や精神的成長とのバランスに気をつける。 ・こちらから宿題は出さない。 ・苦手なことより得意な部分を伸ばしてもらう。 ・保護者にもBBメソッドを理解してもらい、長い目で見守ってもらう。 それぞれについては、今後また書いていきたいと思います。 が、とにかく、理屈抜きで私はこう思っています。 小学生のうちは、土台づくりでいい、むしろ土台づくり「が」いい。だから、焦らない。 土台がしっかりしていれば、大丈夫。「ここからが楽しみ」と信じて、土台づくりに励む。 それが、私にとっての「教えない」かな。 【魚住】 #
by selm_BB
| 2023-03-25 00:00
| BBあるある劇場
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2023年 03月 15日
こんにちは 難波です。 前回、言葉は本来「体験しつつ身につける」もので、B.B.Abracadabraも「イメージ」を伴わない限りは、ただの「音のかたまり」になってしまうということをお話ししました。今回は、B.B.メソッドのレッスンで英語を「生きた言葉」「体験的な言葉」として使う方法の一例をご紹介します。 最初のレッスンをご想像の上、お読みください。 *********** 先生 :
聞きなれない英語の羅列に、「え?何言ってんの?」と、不安げな顔。そして明らかに白けた顔の子もいます。 それでももう一度、" We are going to play Bingo Game. Please take out your picture cards marked with diamonds." と言いながら、先生自身もダイヤマークのカードを取り出して生徒に見せます。たったこれだけのことですが、幼稚園児や小学校低学年のクラスでは結構時間がかかったりします。 決して急かせずに、ゆっくりちゃんが出し終わるのをおしゃべりをしながら待ってあげましょう。このおしゃべりの時間は、子どもたちがどんなことに興味があるのか、何が好きか、などを私が知る手がかりでもありました。その後のレッスンを組み立てる上で大きなヒントになりますね。 さて、続きです。 "Please shuffle your cards."と言いながら、先生がカードをシャッフルします。するとそれを真似て生徒は同じようにカードをシャッフルします。ただし、園児が多いクラスの場合には、カードをテーブルの上に置いて "shuffle, shffle, shuf--fle!" とリズムをつけて言いながら両手で何度もカードを混ぜます。終わったら全カードをまとめて手に持ち、"Put them on the table face up!"と言って、face up のところで絵を見せながら、カードをテーブルの上に置きます。最後、" in 4 rows of 4 cards." で、すべてのカードを並べ終え、一枚ずつ指差しながら "One, two three, four cards."と数え、さらに" one, two, three, four rows." と列を数えます。これでゲーム開始の準備が整いました。 *********** 太字で強調した単語には2種類あります。Bingo, diamondsなどは、「何をやろうとしているのか」の手がかりになる言葉です。そして、そのほかの take out, put, face upなどの語は動作を伴いながら耳に入ります。どちらも、その時、その場での「体験」のイメージとともに子どもたちが触れる「英語」です。 もしかしたら、このようなやりとりは多くの先生方がすでに実践済みかもしれません。こうした英語を日々のレッスンで使う一方、日本語での「おしゃべり」でイメージを深めることの両方を繰り返していくことで、子どもたちの中に英語の「たね」が育っていくのだと思います。【難波】 #
by selm_BB
| 2023-03-15 00:00
| BBカードメソッド
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2023年 03月 05日
難波です。 B.B.レッスンで出会った不思議な現象。 今回は「音」と「ことば」です。 昨年の3月のブログで次のような質問をしました。 「B.B.メソッドにのっとって『B.B.カード』を使ったカード遊びを始めるとき、最初に子供たちに届く『音』は何でしょう?」 「B.B.センテンスの動詞の活用形」が答えでしたね。 では「届いた」として、それは子どもたちにとって、何か意味のあるものなのでしょうか? B.B.センテンスは、英語がわかる先生方にとっては「意味がある文」です。活用形も「これを知っていると将来役に立つ!」という「シタゴコロ(?)」を想起させます。ですから、意外と盲点になりやすいのですが、子どもたちにとっては、どちらもまさにAbracadabra、意味のない音の塊なのです。 それは、体験的な言葉ではないからです。 このままでは、その後B.B.Abracadabraをどう変換注1しようが転換注2しようが、それらの言葉は「単なる音」に過ぎません。単語の代入にはじまり変換、転換を繰り返した言葉がその後、時を経て「自分の言葉」として使えるようになるためには、、、、 「イメージをしながら言い換えをする」ことが必須です。 では、どうしたらB.B.Abcadabraを「体験的」な形で、意味のある言葉、生きた言葉として子どもたちが吸収できるようになるのでしょうか? 今日はその例をご紹介します。 レッスンに来る生徒にとって「生きた言葉」と言えば、まずはあいさつでしょうか。あるいは、レッスンが始まるまでのちょっとしたおしゃべりも含まれます。 例えば "What time did you get up this morning?" とか "What did you eat for breakfast this morning?" "What were you doing before coming here today?" などや、先生からのちょっとした頼み事。(まあ、そういう状況が生じたら、、、の話ですが。) "It's hot today. A ちゃん、Will you please open the window?" とお願いをして、もし窓を開けてくれたら必ず "Thank you, Aちゃん.。” と告げる。 お手本やテキストにあるから言うのではなく、実際に必要に迫られて口にするのが「生きた言葉」です。それに触れることがとても大事なのです。 実際に体験をしつつ聞いたり使ったりした言葉(音)は、場合によっては、たとえ一回の出会いであったとしても、使えるようになることがあります。逆に、意味のある文、表現であったとしても、自分に関係のないテキストを通して知る場合には、たくさんの出会いと時間がかかります。 これも言葉(音)の不思議な現象の一つです。 次回は、この「体験しながら身につける言葉」についてB.B.メソッドのレッスンの一コマからもう少しお話いたします。【難波】 注1) 変換 : Abracadabraの時制を変えること (例:現在形、過去形、進行形、完了形など) 注2) 転換:Abracadabraの言語形式を変えること (例:3文型を4文型にしたり、準動詞を使った文に変えたり、It....to構文にしたりなど) #
by selm_BB
| 2023-03-05 16:14
| BBカードメソッド
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2023年 02月 25日
こんにちは、魚住です ^^ 「教える」って何だろう?というテーマで書き始めましたが、最初の2回は発表会のこと、先月は先生達の勉強会のこと、と普段の授業の様子じゃないじゃん!と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。 自分の授業の1コマを切り取るのはなかなか難しいのですが、がんばってみます ^^;;「教える」代わりに私がやっていることは何だろう?という視点で、「繰り返し」に注目して切り取ってみますね。 例えばこういうやり取りがよくあります。 フレーズが定着してきた子達とシンプルに言い換えをしてみます。単語としては知っている(言ったことがある)はずなので、あえて私が先に言ってしまわないように微妙にタイミングを測っています。 T: 私 Ss: 生徒たち(学年はいろいろ) *青字は私の心のつぶやき T:******Victor the violinist visits the village every day. Ss:****Victor the violinist visits the village every day. T:******毎日は大変だから、毎週にしようか。 T&Ss: Victor the violinist visits the village every…あ A:*****day… あ(笑)(ここで切れること気づいたかな) T&Ss: every week.(私につられて言っているだけの子も) B:*****そっか。(週がweekなのは知ってたのね) T:******もう一度。 T&Ss: Victor the violinist visits the village every week.あ T:******じゃあ、毎月なら? T&Ss: Victor the violinist visits the village every month.(私と同時に言えた子もいるね) T:******おおぉ~!毎年なら? Ss:****Victor the violinist visits the village every …(あえてちょっと待ってみよう) C: *****year?(自信あるけど控えめ) T:******すごーい!みんなで! T&Ss: Victor the violinist visits the village every year.あ T:******じゃあ~、毎週水曜日なら? Ss:****Victor the violinist visits the village every…あ T&Ss: Wednesday.(私につられて言っているだけ) B:*****そっか。(それもありか...って思ったね) T:******One more time. Ss:****Victor the violinist visits the village every Wednesday. T:****(挑発してみよう)これできるかな~?毎年8月なら? T&Ss: Victor the violinist visits the village every…あ D:***(食い気味で)August!!(ドヤ顔 笑) Ss:****August. T:******Great!! Together! T&Ss: Victor the violinist visits the village every August.(声に自信が表れている ^^) T:******おおぉ~👏 何の変哲もない言い換えですが、この一連の言い換えの途中で子ども達はどんな風に感じていたでしょう。 4人の心の中を見てみましょう。(あくまでも想像です。) Aちゃん: 次は“every”の後でちょっと待とう ^^;; Bくん: ***every 〇〇 でいいのか。 Cちゃん: yearがパッと出て嬉しい♪ Dくん: ***次は一番先に言ってやる!→やったー! 一人一人心の中もいろいろです。年齢や学年が違えばなおさら。 さぁ、ここからどうしましょう。 さらに深めたければいろいろできますね。“every”という語を使って作文してみれば使い方がもう一段階深く入っていきます。week, month, year, Wednesday, August という単語がBB64センテンスのどこにあったか探してみてもいいでしょう。それぞれの使われ方の中でまた言い換えもできます。下敷を見ながら単語を文字で書いてみるのもいいでしょう。Play Bookに飛ぶのもありですね。 ただ、ここで止めておくのもありです。 というか、もっと早く、every year あたりで止めておくのもありです。行きすぎたかなと思ったらひっこめればいいのです。私の中では子ども達が「面白がれているか」というのが、境界線です。一線を超えてしまうと、「教えている」のとあまり変わらなくなるような気がします。食傷気味にならないところで止める。「また今度」も大切です。 1回の授業の中での小さな繰り返しと、いつかまた出会う大きな繰り返しを作ることで、子ども達の受け取り方も変わってきます。自転と公転を、不規則に繰り返して、視界に入るものが変わる中で、子ども達自身がそれぞれが何かを獲得し、蓄積していく、そんなイメージです。 「教えない」と言っても、では、どうすれば?と悩んでいる先生もいらっしゃると思います。 今回は、「教える」代わりに「繰り返す」という視点で見てみました。他にはどんなことができるでしょう。また一緒に考えていきましょう。 【魚住】 #
by selm_BB
| 2023-02-25 00:00
| BBあるある劇場
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