BBあるある劇場 (86) 〜 教えるのは好きですか? (4) 〜 |
こんにちは、魚住です ^^
「教える」って何だろう?というテーマで書き始めましたが、最初の2回は発表会のこと、先月は先生達の勉強会のこと、と普段の授業の様子じゃないじゃん!と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分の授業の1コマを切り取るのはなかなか難しいのですが、がんばってみます ^^;;「教える」代わりに私がやっていることは何だろう?という視点で、「繰り返し」に注目して切り取ってみますね。
例えばこういうやり取りがよくあります。
フレーズが定着してきた子達とシンプルに言い換えをしてみます。単語としては知っている(言ったことがある)はずなので、あえて私が先に言ってしまわないように微妙にタイミングを測っています。
T: 私 Ss: 生徒たち(学年はいろいろ) *青字は私の心のつぶやき
T:******Victor the violinist visits the village every day.
Ss:****Victor the violinist visits the village every day.
T:******毎日は大変だから、毎週にしようか。
T&Ss: Victor the violinist visits the village every…あ
A:*****day… あ(笑)(ここで切れること気づいたかな)
T&Ss: every week.(私につられて言っているだけの子も)
B:*****そっか。(週がweekなのは知ってたのね)
T:******もう一度。
T&Ss: Victor the violinist visits the village every week.あ
T:******じゃあ、毎月なら?
T&Ss: Victor the violinist visits the village every month.(私と同時に言えた子もいるね)
T:******おおぉ~!毎年なら?
Ss:****Victor the violinist visits the village every …(あえてちょっと待ってみよう)
C: *****year?(自信あるけど控えめ)
T:******すごーい!みんなで!
T&Ss: Victor the violinist visits the village every year.あ
T:******じゃあ~、毎週水曜日なら?
Ss:****Victor the violinist visits the village every…あ
T&Ss: Wednesday.(私につられて言っているだけ)
B:*****そっか。(それもありか...って思ったね)
T:******One more time.
Ss:****Victor the violinist visits the village every Wednesday.
T:****(挑発してみよう)これできるかな~?毎年8月なら?
T&Ss: Victor the violinist visits the village every…あ
D:***(食い気味で)August!!(ドヤ顔 笑)
Ss:****August.
T:******Great!! Together!
T&Ss: Victor the violinist visits the village every August.(声に自信が表れている ^^)
T:******おおぉ~👏
何の変哲もない言い換えですが、この一連の言い換えの途中で子ども達はどんな風に感じていたでしょう。
4人の心の中を見てみましょう。(あくまでも想像です。)
Aちゃん: 次は“every”の後でちょっと待とう ^^;;
Bくん: ***every 〇〇 でいいのか。
Cちゃん: yearがパッと出て嬉しい♪
Dくん: ***次は一番先に言ってやる!→やったー!
一人一人心の中もいろいろです。年齢や学年が違えばなおさら。
さぁ、ここからどうしましょう。
さらに深めたければいろいろできますね。“every”という語を使って作文してみれば使い方がもう一段階深く入っていきます。week, month, year, Wednesday, August という単語がBB64センテンスのどこにあったか探してみてもいいでしょう。それぞれの使われ方の中でまた言い換えもできます。下敷を見ながら単語を文字で書いてみるのもいいでしょう。Play Bookに飛ぶのもありですね。
ただ、ここで止めておくのもありです。
というか、もっと早く、every year あたりで止めておくのもありです。行きすぎたかなと思ったらひっこめればいいのです。私の中では子ども達が「面白がれているか」というのが、境界線です。一線を超えてしまうと、「教えている」のとあまり変わらなくなるような気がします。食傷気味にならないところで止める。「また今度」も大切です。
1回の授業の中での小さな繰り返しと、いつかまた出会う大きな繰り返しを作ることで、子ども達の受け取り方も変わってきます。自転と公転を、不規則に繰り返して、視界に入るものが変わる中で、子ども達自身がそれぞれが何かを獲得し、蓄積していく、そんなイメージです。
「教えない」と言っても、では、どうすれば?と悩んでいる先生もいらっしゃると思います。
今回は、「教える」代わりに「繰り返す」という視点で見てみました。他にはどんなことができるでしょう。また一緒に考えていきましょう。
【魚住】