宿 題 |
「Magical通信」vol. 100 (2008年11月号)より
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今の小学校はあまり宿題を出さないんですね。我が家の子供達はまさに「ゆとり教育」世代にぴったりはまって小学生時代を過ごしたせいか、算数の教科書にも「練習問題」のようなものがなく、計算プリントなどを持ち帰ることもなかったように思います。その反面、インターネット頼みの「調べ学習」が横行していて、なんだかとても不思議でした。最近、大学のレポートも「コピペ」が多いそうですが、そういう影響もないとは言えないでしょう。ゆとり教育が見直されたら、宿題の様相も多少変わるんでしょうか…?
ところで、マジカルでもある程度BB歴が進んだところから「宿題」を出しています。でも、出しながら、「この宿題って何のために出すんだろう?」という疑問を持つようにしています。例えば、適さないタイミングで「書く練習をしてきなさい」という宿題を出してしまっても、実はあまり意味がないということもわかっているからです。書くのは少し速くなるかもしれませんが、本人の気持ちが入らなければただの手の運動で終わってしまいます。
ですから、宿題は、出すべき適時に、波に乗れるようなものを出すように心がけています。授業でやり残したことを家でやって来てもらうために出すわけでもありませんし、苦手なことをたくさん練習してきてもらうために出すわけでもありません。つまり、マイナスの部分を補うための宿題ではなく、プラスの部分を伸ばすきっかけになる宿題であるべきだと思っています。実際、宿題を前向きにやってきてくれる子達はたくさんいますし、楽しんでくれている子さえいます。
これは、BBメソッドの考え方とも矛盾しません。「まだできない」部分ではなく「こんなことができるようになった」部分にスポットライトをあてていこうという考え方です。そうでなければ、週1回1時間前後の授業で英語の力を伸ばしていくことなどできないと思います。
では、「まだできない」の部分はどうしたらいいでしょう。それは、実は…、その子に出す宿題ではなく、私が私自身に出す宿題になるのです。「できるようになった」部分を伸ばしながら、「まだ…」の部分の霧が晴れるような材料を用意してあげること、つまりゲームや声かけを工夫しながら思いきり声を出して遊ぶことです。それは授業時間内にすることであって、家でやってきてもらうことではないのです。
そんなことをあれこれ考えながら宿題を出しているわけですが、それでもやっぱりやってきてくれないこともあります。他の習い事で時間がとれない子。すっかり頭の中から宿題の存在が消えてしまっている子。でもそれは、ある意味しかたがないことなので、叱ったりはしません。「やるもやらないもその子しだい」だとも言えますし、毎週出しているのにもかかわらず1週間思い出してもらえないということは、子供たち自身の英語に対する優先順が低いということなのかもしれませんから。ですが、省みれば、「宿題に魅力を感じてもらえていないのでは?」「宿題が合っていないのでは?」というサインだともいえます。
そう、その子が家で宿題をやりたくなるような気持ちになるまで、先生が頑張りなさい!という、私自身への宿題が出たわけです。
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マジカル・ポケットでは今、ある宿題に全員で取り組むというおもしろい試みをしています。もう終了したクラスもありますし、夏休みまで持ち越すクラスもあります。
【魚住】